バンガロールの休日(朝)


先輩は、お疲れのようなので、一人で朝から出かける。朝のバンガロールの街をMGロード沿いに30分ほど散歩。

MGロードの裏
ヨーロッパちっくな建物が、ところどころに建っています
バンガロールで一番の高層ビル?
周りの建物から、完全に浮いてます。
遠くからでもわかる高さです。
朝のMGロード
路面の汚れが目立ちますが、これだけ幅広い道路で
平らに舗装されているのは珍しいのです。

インドでは珍しく(日本でも珍しいけど)、店の前でウサギなどのぬいぐるみを着た人たちが客寄せをしている店を発見した。インドの店らしからぬ、横長の洋城の建物で、2階建てだ。おもしろそうなので、その「KEMP」という外見からして高そうな店に入る。
中は、日本のデパートと同じような感じで、洋服やおもちゃを売っていた。店員さんも上品そうで、黒いスーツを着た男性と黒いサリーを着た女性が、ずっと私の相手をした。
店員が飲み物を持って来たので、何の飲み物かを尋ねると、「ペプシ」と答えた。コーラといえば、ペフシ・コーラのことなので、「コーラ」のことを「ペプシ」と呼ぶようだ。(バンガロールだけ?)
商品の値段は、日本と同じぐらい高い。シャツやネクタイをみた後、スカーフやサリーもみてくれ、というので店員も言われるまま、上の階へ。 大きな真っ赤なソファーに座らされ、テーブルの上に20枚ぐらいのスカーフを並べて一枚一枚、太ったおばさんの店員が見せてくれる。僕がいまいちの顔をしていると、これらのスカーフをデザインをしたという若い女性が出てきて、また、一枚一枚説明を始めた。この店の服は、全てこの店オリジナルのようだ。
ちなみにこのとき、私の周りには5、6人の店員が寄ってきていた。貧富の差に関わらず、インド人はすぐに集まってくる。スカーフは高いので買わないと言うと、今度は、シルクの布を持ってきた。値段も安いし、テーブルクロスでも何でもつくれる、と言ってる。そんなのいらない、って。誰がつくるんだよ。
結局、いくつか品物を選んでトラベラーズ・チェックで買った。そのときパスポートを見せる必要があるので渡した後、女性の店員が私のパスポートをペラペラをめくって、いろんな国のスタンプが押してあるので楽しそうにしていると、また、他の人たちが周りに寄ってくる。高級そうな店でも、やっぱりインド人だ。すぐに人が集まる。
清算のときには、僕が日本人というのを知っていたが、途中まではシンガポールから来た人かと思ってたらしい。ウワサでは、バンガロールに2、300人に日本人がいるらしいが、バンガロール市の500万人の人口から比べれば、ほんの一部。ここは観光地でもないので、日本人は珍しがられた。
この店で買ったネクタイは、日本でも私は使っている。

この店を出ると、金持ちの客を狙ってそうなオート力車が待っていて、勧誘してきた。少し怪しげな奴だが、今まで見た中では一番きれいなオート力車で、かつ英語が話せる運転手だったので値段を交渉して、乗ることにした。次の行き先は、カボン公園。乗るとすぐに愛想よく話し掛けてきた。
「あの店は、高かっただろう」
やっぱり、私の金目当てか、と少し不安になる。途中から道をはずれたので、人気がない所へ連れていく気かと思ったが、少し走ったところで、停車。
あっ、ここは!
停車した所は、私が初日にみやげ物を買った店バンガロール散策(1)参照)の前だったのだ。ここは、観光客を狙った店だったのか。運転手は「いいところだから、見てこい」と言ってるが、「来たことあるから、用はない」と告げてすぐに出発。
そして、次に運転手が停車したところは、、、今度は、初日に来たことのある絨毯屋だった。僕は、怒るのも忘れて、とてもおかしくなったので笑いながら、「ここも来たことがある」と言ってすぐに出発。バンガロールの運転手連中では、観光客をカモにする店リストでも出回ってるのか。次に停車したところも、みやげ物屋だった。ここは、来たことがなかったが、全然目的地に向かおうとしないので、私も腹がたってきて
「何も買わないから用がない、カボン公園に行け」
「降りて見るだけでも、、、」
「だめだ」
と会話が行われた後、運転手はがっかりした様子で愛想もなくなり無口になり、やっと目的地へ到着。降りて気づいたのだが、僕が指定した場所と1ブロック違う。まぁ、歩いて行くか。カボン公園に向かう途中、映画館があり、朝から人だかりができていた。インド人は映画好きだからなぁ。

オート力車で降ろされた場所
何にもないのですがー
バンガロールの映画館
インドでも洋画は人気があります

 

カボン公園は、広大な庭園になっていて、家族連れで賑わっていた。露店もいろんな所でみられる。園内には、様々な施設があり、まずは水族館から入ってみることに。2ルピー(*)の入場券を買って、水族館へ入る。中は、やはり2ルピー(*)分だけの価値しかなく5分ほど観て(歩いて?)出る。しかし、インドでは珍しいらしく、インド人観光客は、熱心に観ていた。園内の人気施設はトイ・トレインで、乗るには長蛇の列に並ばなければならないようだ。園内を歩いていると、特に子どもたちが僕の顔を珍しそうに見ていた。日本人のような顔だちの人を見るのが珍しいのだろう。私は園内に2時間近くいたが、一人も日本人、韓国人、中国人らしき人に会わなかっただから。水族館から20分歩いたところに小さなスタジアムがあったので入ってみると、中・高生らしき少年がテニスの試合をしていた。観ていたのは、父兄がほとんどだ。いかにも、良家の育ちらしき人たちばかりだ。

次に、産業技術博物館に入ってみた。入場料が10ルピー(*)(水族館の入場料の5倍)もするだけあって、お金に余裕がありそうな家族ばかりが集まっていた。それを狙ってか、年老いた乞食がいたが、ガードマンに追い払われていた。館内は、歴史・科学を楽しく学べるような施設になっている。特に、人気は科学の方でどこのコーナーも人だかり! 歴史の方は、老人がちらほら見られる程度。
お父さんが、小学生ぐらいの子どもにいろいろ教えている風景が、微笑ましい。 私も小さい頃、「広島こども文化館」で学ばせて(遊ばせて)もらったものだ。
テレビ電話のコーナーが一番盛り上がっていた。一台の電話機に5、6人が群がっていて話している。インド人だから順番を守らないのか、子どもだから順番を守らないのか、わからないのが、収拾がつかなくなっていた。しかし、好奇心いっぱいの目はきらきら輝いていて、とても楽しそうだ。
ここにいる子どもたちは、みんないい服を着ていて、髪型も整っている。女の子の服には、フリルまでついている。男の子は、髪を七・三に分けている。車で会社に向かう途中、道端でよく見かけるような、汚れた白いランニング一枚と、黄土色の半ズボンをはいている子たちとは雰囲気まで違う。

最後に、産業技術博物館の隣にある州立博物館にも入ってみた。いろんな遺跡から出土品や絵画があったが、店に売っているような物と区別がつかないため、そんなものかなぁ、と眺めておしまい。ちなみに、私が見た感じでは、入場者数は産業技術博物館の20分の1ぐらい。

仏画? ヒンズー画?
あやまって、オートフラッシュで
撮影したため、警備員のお爺さんに怒られました
インドの神様の像?
顔が象みたいなので、ガネーシャ像なのかな?
日本と違って解説文がありません。


 

園内のガンジー像
インドでは、やっぱりガンジーは英雄です
女性の像
何の像だろう? キリスト教関連?
園内の露店
買う人も買わない人も群がります

 

(*)1ルピー=約3.5円

 

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