印度人の英訳

インド人の翻訳(英語 -> 日本語)にまつわる話を書いています。
仕事のグチを書いているだけではないかって?・・・その通りです。


 

序章

私が日本語で書いた文章(約60頁)をインド人に英訳してもらいました。その翻訳者たちは、1ページにつき25$というインド人にしてはとても高い値段で雇われているそうです。1週間後、私の元に翻訳された文章が送られてきて、誤訳がないか確認する作業に入りました。すると、こんな訳が・・・

翻訳例1

親グループ」という単語が、なぜか、「New Group」と訳されていました。なぜ? どうしたら、こんな訳になるのでしょう? インドでは、”親”のことを”New”というのでしょうか? ”New”は、別の意味で”親”という意味があるのでしょうか? 私は、会社から家に帰ってもこの謎が解けませんでした。そして、お風呂に入ってお湯に浸かっているときに、はっ と気が付きました。
漢字のつくりが似ているので、
「親」と「新」の漢字を読み間違えたのでは! つまり、「親グループ」を「新グループ」と理解し、「New Group」と訳した、と。
う〜む、奥が深い・・・。

 

翻訳例2

音声を鳴らす」という文が、「Without sounding」と訳されていました。えっ、その訳では、「音声を鳴らすことなく」という、全く反対の意味になってしまうではないか! 今度は、どういう間違いをしたのでしょうか? これは、すぐにわかりました。
「音声を鳴ら」を「音声を鳴らと読んだのでしょう。そのため、否定の意味になってしまったのではないかな。
だんだん、私もインド人の英訳に慣れてきたようです。

 

翻訳例3

私が翻訳を頼んだ文の中には、数字も含まれていました。「10000」という数字が文中に何回か出てくるのですが、翻訳後は、ところどころ「1000」や「100000」になっていました。翻訳を依頼している文章は、技術的な文章なので、技術者でない翻訳者にとっては、数字は苦手だったのかもしれません。しかし、「1000」や「100000」という数字は、文中には一回も出てこないんですけどねー。

 

翻訳例4

チェックをする」という文が、「no check」と訳されていました。この謎は、まだ解明されていません。もっと文章の前後を読まないとわからないのかもしれません。

おともだちからの情報:
台湾人も、文中の思わぬところに「
no」や「not」を付けるそうです。アジア大陸共通の表現?

 

翻訳例5

オートシェイ」という単語が、「auto save」と訳されていたのですが、私が書いた元の文章が「オートシェイ」となっていました。私の誤りにしても、訳が違うような気がします。
どうやら、「
シェイブ」を「セイブ(save)」と間違えたみたいです。今までの誤訳は、文字の形が似ているからという理由が多かったのですが、音が似ていたので間違えたというのは新しいパターンです。

 

終章?

訳をまちがえた理由を私なりに考えていますが、あくまで推測です。もしかすると、彼らは別の見解をもっているのかもしれません。それにしても、翻訳の質に比べて翻訳の値段が高すぎるような気がします。

まだ、翻訳の確認作業は、継続中です。また、おかしな訳があったら、書き足していく予定です。